もっと“アクティブ”に暮らしたいミドル・シニア世代の方に
新潟県 女性・高齢者等新規就業促進プロジェクト

【働く人インタビュー】未経験でも、ブランクがあっても「誰かの役に立ちたい」を実現!

週に数日だけ外に出て活動したい
ずっと家にいる生活にメリハリがほしい
誰かの役に立ちたい
社会との繋がりを感じたい

…そんな想いはありませんか?

ちいきてらす株式会社が運営する障がい者グループホームでは、そんな想いを叶える働き方をしているミドル・シニア世代の方々がいます。
そこで、どのような仕事や働き方をしているのかをインタビューしてきました。

グループホームでの仕事内容とは?

「障がい者グループホームで働く」というと、大変なイメージを持つ方もいるかもしれません。
どんな仕事をするのか、自分にもできるのか、資格や経験がなくてもいいのか、心配や不安になりますよね。

まずお邪魔したのは、新潟市中央区にある「ちいきてらす関屋金衛町」。
保護犬のひめちゃんと利用者さんが暮らしています。

仕事内容は主に、利用者さんの食事づくり(献立有)、住居共用部の清掃、利用者さんの支援(起床・就寝サポート、傾聴・相談相手など)、戸締りや火元の管理、利用者さんの通所・通勤送り出し、迎え入れ、犬の世話(散歩、食事など)があります。

ここでは、“未経験からのチャレンジ”で働くAさん(50代)に話を聞き、どのような仕事をしているか見させてもらいました。

夕方16時から21時まで勤務するAさんの仕事の流れを見ていきましょう。

1.テーブルやリモコン等の除菌

まず始めに行うのが除菌スプレーでの除菌作業です。
利用者さんが安心・安全に生活できるよう、毎日欠かさずに除菌を行います。

2.利用者さんのお出迎え

ちいきてらす関屋金衛町で生活する利用者さんは、昼間は働きに出ている方がほとんど。
夕方になると利用者さんが帰宅するので、玄関に出て、保護犬のひめちゃんと一緒に「おかえりなさい」と出迎えます。

おかえりと出迎える時は、今日も無事に仕事に行って帰って来られたことに安心します。」とAさんは笑顔で話していました。

3.夕飯づくり

1週間の献立が決まっているので、献立表を見ながら夕飯を作ります。
作り方や手順は決まっておらず、各支援員さんが“家庭の味”を振る舞うんだそうです!

食材は冷蔵庫に入っているので、献立に合わせた食材を取り出して作ります。
19時には夕飯が食べられるように準備をするため、てきぱきと作っていきます。

こうしなきゃいけない、とルールに縛られているわけではないので働きやすいです。また、特別な資格も必要ありませんこれまで家庭でやってきた経験を活かして、“家族に美味しいごはんを食べてほしい”と想う気持ちと同じように作ってきます。」と優しく話してくれました。

写真撮影等をしている間に、あっという間に完成していきました!

この日のメインは「根菜とこんにゃくと厚揚げの煮物」。
とっても美味しそうですよね!

料理は支援員さんのお仕事ですが、配膳や後片付けは利用者さんがそれぞれ行うそうです。
すべてお世話してあげるのではなく、今後社会に出てひとりで自立した生活ができるようなサポートをするのが支援員さんのお仕事です。

4.利用者さんとお話

支援員「今日はどんな1日だった?」「どんな仕事をしたの?」
利用者「今日はこんな部品を作る仕事だったんだけど、同じ作業が長く続いて大変だったよ」

等、利用者さんの話を親身になって聞いていました。

「日常の何気ない会話から、生活や仕事に関する相談など、自立支援の一環として、利用者さんの話を聞くのも大切な仕事のひとつです。
決してこちらの意見を押し付けるのではなく、“傾聴”するのがポイントです。」と、教えてくれました。

5.ペットのお世話

保護犬ひめちゃんの食事や散歩などのお世話も仕事のひとつです。
ひめちゃんは支援員さんにも利用者さんにもとても懐いて、私たち取材陣にも吠えることなく、とっても穏やかな性格でした!

支援員さんインタビュー | やりがいや楽しさとは?

次に、「ちいきてらす東青山」にお邪魔して、“ブランクを経てのチャレンジ”をした支援員Bさん(60代)に、働こうと思ったきっかけや、この仕事のやりがい、楽しさ、大変さ等についてインタビューをしてきました。

働いてみようと思ったきっかけは何ですか?

自立支援を通じて若い人が元気になると嬉しいですし、なによりも誰かの役に立てることがしたいと思っていたので、働いてみようと思いました。

元々介護の仕事をしていたのですが、孫の面倒を見るために退職したんです。
この仕事は介護とはまた違いますが、「利用者さんが1人で生活ができるようになるためのお手伝いができればいいな」と思い、今はお母さん役をやっています。

障がい者グループホームで働く前と後で印象は変わりましたか?

「障がい者」と聞くと重度なものをイメージされる方もいますが、精神的な障がいということは聞いていたので、そこに大きなギャップはありませんでした。

ただ、30~40代の方が多いと思っていたので、20代の若い利用者さんもいてびっくりしました。今までの介護職では高齢者を対象にしていたので、最初は戸惑いましたね。
でも、“こちらの誠意を伝えることで信頼関係を築く”ということは、介護でも自立支援でも、相手が高齢者でも若年者でも同じだと思っています。

特別な知識はありませんが、自分の子どもくらいの年齢なので、聞かれたことに対して「自分の経験ではこういう風にやってきたよ」と話をしながら、支援をしています。

これまでの経験から、些細な変化を観察して「ちょっとおかしいな」と思ったら、聞いてみたり、逆に引いてみたりします。
そのためにも、日常生活に思いやりを持って接することが大切だというのは、働いてみて気付いた点のひとつです。

仕事をしていて嬉しい瞬間はどんなときですか?

利用者さんが普通に元気に生活できることが、一番嬉しいです。
ここに朝6時に来て、『おはようございます!』って挨拶してくれると、「自立支援の役に立てているな」と嬉しく思いますし、これがやりがいだと思います。

初めてのチャレンジで大変だったことは何ですか?

最初は、利用者さんの精神的なバランスを理解できないことが大変でした。
でもそんなに頻繁にあるわけではないし、リズムがあることに気付いてからは対応できるようになりました。
私たちでも気持ちの浮き沈みはありますし、それと同じですね。

この仕事は未経験の方でもチャレンジできますか?

誰かをサポートしたりお話を聞いたりするのが好きな方であれば、未経験でももちろん大丈夫です。

専門知識や資格が無くても、これまでの生活の知識や経験が活かせる仕事だと思います。
ただ、自分の経験を「こうしなさい」と押し付けるのではなく、利用者さんの考えを受け入れたうえで、「私の経験ではこうしたよ」と伝えるようなイメージです。

もちろん最初から完璧な方はいません。
経験の有無に関わらず、少しずつ、自分も一緒に成長していくという感じですね。

働き始めて変わったことはありますか?

生活にメリハリがつきました。

ずっと家にいるよりも、外に出ることで社会との繋がりを感じられますし、「自分もまだ誰かの役に立てるんだ」と、生活に張りが出ました。
相談すれば、働く時間も休みも、自分の生活に合わせることができるので、とても助かります。

働くことにチャレンジしようと考えている方へメッセ―ジをお願いします

まずは一歩踏み出すことが大切です。

そんなに深く考えないで、自分のできることから一歩ずつ始めてみれば、そのうち色々なことができるようになると思います。
ただ考えるだけではなく、一歩踏み出す勇気です。
踏み出してみると、意外とそんなに大変なことでもないと気付くような気がします。

最初は大変だと思いますけどね。
でもそれが、その後のやりがいや生きがいに繋がってくると思います。

社長インタビュー | 自立支援の仕事、ちいきてらすの仕事

最後に、ちいきてらす株式会社の代表取締役 小倉豊彦さんにも、自立支援やちいきてらすでの仕事についてなど、お話を伺いました。

ちいきてらすはどんな職場ですか?

「人のためになる、人の役に立てる場所」であり、「人生をより豊かにする場所」だと考えています。

そもそも人間は、人との繋がりを求め、社会参加を希求します。その根源にある、“誰かのために何かをしたい”という欲求は、人間にしかない特性だと思います。

これには年齢は関係ありません。5歳の子供も、90歳の高齢者も、人に何かをして「ありがとう」と言われると嬉しくなりますよね。
だからもっと「ありがとう」と言われたくて、知恵を絞り、試行錯誤します。
これが人間の本質であり、仕事の本質ですね。
大げさに言えば、自然の摂理です。自然だから無理がありません。

なので、年齢に関わらず、「いつまでも誰かの役に立てる」「自分が役に立っている」という実感を得られる場所があることが、その人たちの人生をより豊かにするものだと思うんです。

様々な人がいる中で、それぞれの人に合った形で、目の前の人の役に立っているという場があることが、地域を潤す。
そして多様な人が集まって暮らすその地域が、より住みやすい場所になっていくのであろうという思いから、この会社を始めました。

この職場が、まさにそういった場になってほしいと考えていますね。

ちいきてらすでの仕事はどのような方におすすめですか?

人よりも優れた技術や知識を持っている人ではなく、ご自身が生きてきた過程の中で、しっかりと身に付けてきた経験値や生活歴から、利用者さんたちに対して、助言やアドバイスができる人におすすめです。

ここで生活する利用者さんは、これまで社会や地域から隔絶された世界で生きてきたけど、今まさに地域社会の一員として生活を始めようとしています。

人間を何十年もやっているミドル・シニア世代の方々は、苦労もしていて人の痛みも分かるし、臨機応変にいろんな引出しを持っていて、ご自身が自覚していない強みも必ずあるはずです。

そういうものがここで働くことで引き出されて、新たな自分を発見することもでき、「私でも人の役に立つことができるんだ」と実感できると思います。

ブランクのあるミドル・シニア世代でも働けますか?

未経験でも、ブランクがあっても、もちろん働けます。

「私には強みも取柄もない」という方もいますが、そんなことはありません。

人に言ってもわからないような苦労をしているだろうし、自分にしか感じられない痛みも感じてきているだろうし、そういうものを克服したり、苦労や痛みとともに生きてきたことが、人との違いとして、強みになっているんです。

「~の資格を持っています」とかはある意味関係なくて、人としての幅や奥行きがそれぞれあるので、それをしっかりと利用者さんに向けて仕事をしてもらえれば、資格などは必要ありません。

また、「強みがない」と感じるのは、自分から見た自分がそうなだけであって、我々から、または利用者さんから見たあなたは、そういう風には見えていません。

このグループホームという事業のベースには、“人間は常に可能性のかたまりだ”というものがあります。

ですから私たちは利用者さんを、「障がい者だからかわいそう」「障がい者だからできない」とは見ていません。
健常者、障がい者ともに、フレームを変えれば、同じ「不完全な人」なんです。
お互い何某か欠けているわけで、お互いの欠点をお互いが補完しあう。私たちがやっていることは、何も難しいことではなくて、言わばそういうことです。

そういった面からも、50歳であっても、60歳であっても、年齢に関係なく、常にその人に可能性があると思っています。
ぜひ、自分で自分のことを決めつけないでチャレンジしてほしい
ですね。

ミドル・シニア世代の方へ一言お願いします

「障がい者」というと重度な方をイメージすると思いますが、ちいきてらすの利用者さんは、自立を目指している方がほとんどです。

我々は自立支援ということを基軸にしているので、あれこれとこちらが先回りしたり、何でもやってしまうことは、利用者さんの自立の妨げになってしまいます。
主体は利用者さんであって、「本人が決めたことが、本人にとって正しい」ので、何をどう決めるのか、極力本人にとって望ましい決断になるよう援助・支援するのがわたしたちの仕事です。

働く時間は、週1日からでも、朝の3時間だけの短時間でも、可能です。
休みがほしい場合にも、事前に相談いただければ調整もできますし、急な欠勤も、他のパートさんたちが「お互いさま」とフォローしてくれます。


人が好きで、犬が好きで、誰かの役に立ちたいと考えている方は、ぜひ一緒に働いてみませんか。

記事で紹介したお仕事の求人内容について

今回の記事で紹介した「支援員(世話人)」の求人情報は、こちらの求人ページからご確認いただけます。ぜひチェックしてみてくださいね。

ちいきてらす株式会社

新潟市において、障がい者グループホーム事業、まちのご用聴き事業、介護事業経営コンサルティング事業、介護業界教育研修企画・講師派遣事業を行っている。(記事公開時の情報)

住所:新潟市中央区万代島5番1号 万代島ビル11F
TEL:025-367-1017  FAX:025-333-9768
HP:https://www.chiiki-terrace.co.jp/

※『にいがた通信』掲載の記事はこちら

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